聖徳院の賦
真理正法北辺行 独座修験幾星霜
盤石立教揺風説 清明志尚乗雲膾
渺茫千里翔白鴻 万感報恩吉野到
【読み方】
しんりのせいほう ほくへんにぎょうじ
どくざのしゅげん いくせいそう
ばんじゃくたる りっきょうかぜを ゆるがしてとき
せいめいの ししょう くもにじょうじてかいす
びょうぼうせんり はくこうにかけ
ばんかんたる ほうおん よしのにいたらん
【大 意】
神の霊示により此北の地に行じ、独り厳しい修行に幾年も耐えた
盤石たる立教の基は広い範囲に流布し、清らかな志向は雲に乗ずる如く隅々に知れ渡った
願わくば、この広茫たる原野の果てから近くに棲む白鳥の翼に託して
万感の思いを、かつて育んでくれた吉野山に届けたいものだ